2010年11月に当店に処方箋を持ってこられた男性Tさま71歳(当時)の事例です。
2010年11月 処方箋度数
R)S+1.00 ADD2.00
L)S+1.00 ADD2.00
処方箋通りに遠用と近用を製作しお渡しさせて頂いたところ
2012年2月にご来店。
「モノが二重になって見える。本が読みづらく使えない。」という訴えでした。
今度は当店で視力検査をさせて頂いたところ
R)S+2.00 C−1.50 AX80° ADD2.50 2.50△BD
L)S+2.25 C−2.00 AX65° ADD2.50 2.50△BU
PD)R=31.5、L=31.5
以前来られた時に頭が左下がりに斜頸していたのが気になっていたので
上下のズレが発生しているのを予想しておりました。検査では上下5△は入れないと
融像しない状態でした。お客様の理解も得て上下5プリズムを入れさせて頂き、
さらに強い乱視も入れないと像はダブったままで、見えにくい状態は変わらないので
思い切って乱視も入れて眼鏡を製作。
ご年齢から察し、遠近両用は難しそうでしたので遠用と近用を別々に制作。
お渡し後の感想は
「初めてのスッキリした視界。運転時に良く見える。特に本が読みやすくなったので作って良かった。」
とおっしゃってくださり、こちらとしても本当に嬉しかったのを覚えています。
その後
2017年10月に白内障の手術をされましたが、眼鏡の度数は貴方に決めて欲しいと言われ
処方させて頂きました。
その時の処方
R)S+0.50 C−1.50 AX90° ADD2.50 3.00△BD
L)S+0.75 C−1.50 AX90° ADD2.50 3.00△BU
乱視は残っており、やはりプリズムは入れないと見れない状態。以前の上下5△だと
足りない感じでしたので、上下6△にて製作。
この時も快適に見えるようになり喜んでおられました。
一番最近の度数で
2020年6月
R)S+0.50 C−2.00 AX90° ADD2.50 3.00△BD
L)S+1.25 C−2.00 AX95° ADD2.50 3.00△BU
こちらの度数で快適な様子です。
約10年前に当店に処方箋持参で来られた時に処方箋の度数を信じてお渡しさせて頂いたものの
当店では視力検査をしなかった後悔と斜頸の状態から上下斜視があるかもという提案ができなかったことが反省点です。
さらに、ご本人様も「もともと目が悪いからこんな感じです。」
という勝手な思い込みのまま生きて来られたのだと思いますが
もっと早く乱視・プリズム入りの眼鏡を製作していたら、「良く見える」というレベルが
上がっていたのではないか?と思いました。
お客様の「良く見える」という言葉を鵜?みにせず
自分のレベルでいう「良く見える」というレベルに引き上げる提案が出来る店として
存在価値を出せれるよう日々研鑽中です。
|